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<エグザイル公演落雷事故>遺族は避雷針兼ねた記念物設置求める 「娘の死無駄にしたくない」

2012年に大阪市で開かれた人気音楽グループ「エグザイル」のコンサート会場で発生した落雷によって20代の女性二人が亡くなった。コンサート主催者に損害賠償を求めている遺族は、事故現場となった公園に避雷針を兼ねたモニュメントを設置するよう求めている。(アイ・アジア編集部)

落雷事故現場の献花台で手を合わせる母親の岩永和子さん
落雷事故現場の献花台で手を合わせる母親の岩永和子さん

北九州市に住む岩永牧子さん(当時、22才)が、大阪市東住吉区の長居公園で落雷事故によって死亡したのは2012年8月18日。人気グループ「エグザイル(EXILE)」や「三代目 ジェイ・ソウル・ブラザーズ(三代目J Soul Brothers)」などが出演する「エイ・ネーション2012(a-nation 2012)」のコンサートを見るために現場を訪れていての不慮の事故だった。

コンサートが始まる前、長居公園付近に激しい雨が降り始めた。牧子さんはトイレ近くの木立で雨宿りをしていて雷に打たれた。このため、母親の岩永和子さんは、来場者を適切に誘導していなかったとして、主催者であるエイベックスなどを相手取って損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こしたが一審は敗訴。和子さんは控訴し、9月1日に審理を終えた。判決は11月10日に言い渡されるという。

これについて和子さんは、控訴審では「審理らしい審理は行われなかった」として納得しておらず、近く上申書を出して審理の継続を求めることにしている。そして和子さんがもうひとつ実現に向けて動いていることがある。それは、事故現場に設置した献花台のことだ。公園を管理する大阪市の外郭団体「長居パークセンター」は、献花台は危険だとして撤去を求めている。

これについて和子さんはアイ・アジアの取材に次のように話した。

「このまま裁判も負けて献花台も撤去されたら、娘の死が無駄になってしまいます。なんとか、娘の事故について多くの人に知ってもらい、二度とこうした悲劇が繰り返さないようにしなければと思っています。それには、事故を記憶に留めるモニュメント的なものが必要です」

和子さんは、このモニュメントについて、既に「長居パークセンター」に建立の趣旨を伝えており、落雷被害防止に役立つものにしたいと話している。

「モニュメント的なものであると同時に、悲劇を繰り返さないためのものでないといけないと思います。それには、避雷針の設置が不可欠です」

避雷針を設置し、その土台にモニュメントを設置するという和子さんの意見に賛同する付近の住民は多い。近くに住む76歳の男性は次のように話している。

「最近も落雷が多発して怖い思いをした。事故を風化させないことも重要だし、避雷針を設置することも重要だ。その両方を兼ねたものを作るというのだから、是非実現して欲しい」

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