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【日本学術会議問題】加藤官房長官会見(10月13日)

【日本学術会議問題】加藤官房長官会見(10月13日)

菅義偉首相が日本学術会議の会員6名の任命を拒否した問題で、加藤勝信官房長官は10月13日の会見で、一般論として人事は一つ一つ首相がチェックするのではなく事務方にある程度任せて進め、最終的な判断は首相がしているとしたが、今回の任命の具体的なプロセスは明らかにしなかった。(インファクト編集部)

(注)会議録一覧はこちら。記者会見は公開情報ですので、転載等は自由です。首相官邸サイトの動画などで発言内容を確認し、日本学術会議関連の発言は全て抽出するようにしています。途中で別の内容で質疑応答があった箇所は横ラインを入れています。聞き取りにくい部分などは●●としています。必要に応じて正確を期すための修正を行います。

加藤勝信官房長官 定例記者会見(10月13日午前)

(記者)
話題変わりまして共同通信のカサイです。あの、日本学術会議についておうかがいします。
事務の官房副長官が、内閣府の提案に基づき任命できない人が複数いると決裁前に総理へ口頭で報告していたとのことですが、日本学術会議法には、会員は総理が任命するとしています。
今回の任命について、総理以外の方が判断された可能性について、また改めて、任命に総理はどのように関与していたのか、ご説明をお願いいたします。

(長官)
まさに任命については最終的には総理が決裁をされて決定されてるということであります。
で、そのプロセスにおいては、これまで申し上げましたように、任命の考え方について説明があり、共有なされてたということは申し上げてまいりました。
個々のやりとりについては、これは人事に関することでありますから、誰が何をというようなことは、これまでも差し控えさせていただいています。
その上で、内閣官房副長官のお話が出ましたけれども、一般論として申し上げれば、内閣官房副長官は官邸における総合調整の役割を果たしていただいております。


(記者)
東京新聞のムラカミです。日本学術会議の任命についておうかがいいたします。
内閣府が99人を任命する決裁文書を起案したのは9月24日ですが、昨日の説明では、それまでの間に、首相に対して考え方が説明され、共有化され、それにのっとって具体的な作業がなされたとご説明いただきました。
この「考え方」また「共有化」とはどのような内容なのか、改めておうかがいできますでしょうか。

(長官)
考え方というのは、これまで説明をさせていただいているところであります。
あの、まさに推薦にのっとって総理が任命するという学術会議法の規定があり、他方で、憲法の15条含めて、国として、しかもこれまでの総合科学学術会議等の提言でも、総合的俯瞰的機能が期待されている等の指摘があると、そうしたことを踏まえた形で、まさに任命についての考え方が説明されですね、共有されたということであります。

(記者)
東京新聞のムラカミです。
いま考え方のご説明をいただきました。
共有化のほうも確認させていただきたいんですが、昨日の会見でも、この共有化というのは総理から指示があったのか、それとも事務方の方で判断したのか、そこら辺のところは、ちょっと昨日の会見でまだはっきりと、ちょっと理解が、私の方も至らなかったところもあるんですけども、具体的にこの共有化のやりとりというのは、どういうやりとりだったんでしょうか。

(長官)
それは、先ほど申し上げましたように人事に関してですから、誰がどこで何を言ったかということについては、これは差し控えさせて、これまでも控えさせていただいているところでありますが、いずれにしてもそういう説明について、お互い共有化する、認識を一致させたということであります。

(記者)
東京新聞のムラカミです。
そうしますと、確認なんですけれども、その9月24日の99人推薦の起案までには、首相が基本的な考え方の説明を受けて、共有化はされたものの、この105人の名簿そのものは見ていないということでよろしいわけですね。

(長官)
あの、ちょっとその背景でありますけれども、基本的には1つの考え方があり、全体として、作業されていくわけであります。
一つ一つ、例えばいまお話があったように、一人一人、総理が任命を一つ一つチェックしていくわけではなくて、一つの考え方を共有し、それは事務方にそうしたものは言わば任せていて処理をしていくというのは、別に本件にかかわらず、そうした対応の仕方をしているということでありまして、そうしたまさに通常のやり方にのっとって作業が進められている、作業が進められたということであります。

(記者)
すみません、フジテレビのスギヤマです。関連しておうかがいします。
総理が先週のインタビューで、会員が後任を事実上指名することができる仕組みだと述べられています。
それに対して、内閣府の事務局や学術会議からは、そうした指名は不可能との指摘が出ているんですが、総理の発言の趣旨をお聞かせください。

(長官)
まず、総理からは会員の人選は推薦委員会などの仕組みがあるものの、現状では、事実上は現在の会員が自分の後任を指名することも可能な仕組み、こうなっているということを言われたわけであります。
学術会議の選考に当たっては、まさに現在の会員、提携、連携会員から候補者の推薦を受け、選考委員会において選考の上、候補者名簿が作成されている。
そして、選考委員会の選考を経て候補者名簿を作成するので、推薦された者が必ずしも候補者となるとは限られないというのはそのとおりでありますが、総理の発言は、まさに現在の会員が候補者を推薦できるわけであります。
そして結果として、現在の会員が推薦された者が候補者名簿に載り、総理から、まさに候補者名簿に載り得るということもあり得るということを述べられたということであります。

(記者)
朝日新聞キクチです。関連でおうかがいします。
いまのフジテレビさんの質問にもありましたが、総理の発言の趣旨を長官が度々説明されたり、先日もあの、菅総理の名簿を見ていないという発言、真意をめぐって、昨日も長官たびたび会見で補足されました。
やはり改めて菅総理が国民に向かって説明するということ説明だと思うんですけれども、記者会見を開くなどの対応について、あのー、官房長官のお考えがあればお願いします。

(長官)
まさに、その総理の発言に対して、皆さんからの質問を踏まえて私は言及しているわけでありますので、私が積極的に何か解説をしてるわけではありません。
したがって、こうした場において、まさにこの記者会見は政府の考え方をご説明する場所でありますから、基本的には総理の考え方をご説明する場所と言ってもいいのだろうと思いますので、まさにこういった場でその役割を果たさせていただいているというふうに思います。

(記者)
産経新聞のチダと申します。関連しておうかがいします。
北海道大学の永田晴紀教授が、ご自身のツイッターで、防衛装備庁の制度、すいません、制度を利用した先端研究に応募したところ、日本学術会議から辞退するよう圧力があったと主張していることについてなんですが、昨日の会見で、長官は、報道は確認しているが、事実関係は承知してないと答えられました。
政府として、年間10億円、学術会議の予算を、えー、計上しておりますが、事実関係を確認する考えはありますでしょうか。

(長官)
まず、北海道大学の関係者が、個人のブログなどに書かれておられるということだと思いますが、あの、個人としてのブログでありますから、その基準についてですね、私ども一つ一つコメント、政府としてコメントするのは差し控えたいと思います。

(記者)
東京新聞のムラカミです。
先ほどの基本的な考え方、また、それが共有化されたということについてなんですけれども、この除外、結果的に除外をされた6人の個人名や、どういった業績があるかということを首相が事務方から説明を受けたというのは、これはいつになるんでしょうか。
これは24日までの間に、この99人とは別に、6人の個人名を総理は把握されていたという理解でよろしいんでしょうか。

(長官)
いや、ですから…。

(記者)
それは口頭でやりとりがあったということでしょうか。

(長官)
ですから先ほど申し上げておりますように、個々の人事の関係でありますから、個々のやりとりについては申し上げておりませんが、まさにいま申し上げた、任命をするに当たっての考え方について説明があり、そのことが共有をされ、それにのっとって作業がなされ、そして、それに基づき起案がなされ、最終的に総理が決裁をされた、まさにそういうプロセスであります。

(記者)
東京新聞のムラカミです。
最後にもう一点確認させてください。
24日までの、その説明があり、そのやりとりがあったというのは、全て口頭でやりとりがされたということなんでしょうか。

(長官)
すいません、個々の詳しいやりとりは、私は承知はしておりません。


2020年10月13日午前、首相官邸

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