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【日本学術会議問題】加藤官房長官会見(10月20日)

【日本学術会議問題】加藤官房長官会見(10月20日)

菅義偉首相が日本学術会議の会員6名の任命を拒否した問題で、1983年の「形式的任命」という政府答弁を維持するのかどうかについて内閣府の担当者が「答えるのが困難」と述べたことに関連し、加藤勝信官房長官は「法の解釈変更ではない」との見解を改めて示した。(インファクト編集部)

(注)会議録一覧はこちら。記者会見は公開情報ですので、転載等は自由です。首相官邸サイトの動画などで発言内容を確認し、日本学術会議関連の発言は全て抽出するようにしています。途中で別の内容で質疑応答があった箇所は横ラインを入れています。聞き取りにくい部分などは●●としています。必要に応じて正確を期すための修正を行います。

加藤勝信官房長官 定例記者会見(10月20日午前)

(記者)
東京新聞ムラカミです。話題変わり、日本学術会議についておうかがいいたします。
日本学術会議の83年の政府答弁についてなんですけれども、昨日の野党会合で、政府が行うのは形式的任命などとする1983年の政府答弁が維持されているかについて、内閣府の担当者は「答えるのが困難だ」などと曖昧な答弁をされました。
当時から法解釈が変わっていないというのは理解しているんですけれども、この83年答弁というのは、現在も維持されているんでしょうか、それともされていないんでしょうか。

(長官)
まず形式的な任命ということに関しては、先般お配りした法制局のペーパーの中でもですね、「内閣総理大臣による会員の任命は推薦を前提とするものであることから形式的任命と言われることがあるが」とされているところであります。
他方で、私どもここでも何回も説明していますけれども、憲法の規定に基づき、任命権者たる内閣総理大臣がその責任をしっかりと果たしていくという一貫した考え方に立った上で、日本学術会議法に基づいて行っているところであります。
また、昭和58年の法改正で任命制が導入されたときから、このような考え方を前提としておりまして、法の解釈変更そのものではないということであります。


2020年10月20日午前、首相官邸

 

加藤勝信官房長官 定例記者会見(10月20日午後)

(記者)
毎日新聞サトウです。よろしくお願いします。
日本学術会議についておうかがいいたします。
井上科学技術政策担当大臣が本日の記者会見で、今週中にも梶田会長と会談し、学術会議の在り方を検討するに当たっての意見交換をする旨の発言をいたしました。
えー、総理から井上大臣に対して学術会議が期待される役割を発揮してもらうための検証を梶田会長と連携して取り組むよう指示があったとのことですが、政府としてはどのような議論、成果を期待されておられますでしょうか。
検証のスケジュール感とあわせてお聞かせください。

(長官)
まず井上大臣が今朝の記者会見で、近いうち、できれば今週中に梶田会長とお会いすることを考えている旨の発言をされたと承知をしております。
具体的な予定、内容、承知してませんが、先日、総理が梶田会長と面会した際に、井上担当大臣を中心として梶田会長とコミュニケーション取りながらお互い進めていくことで合意が出されたというふうに承知をしております。
あの、具体的な中身については、井上大臣が記者会見で述べておられますけれども、日本学術会議がその役割をより適切に果たし、国民の皆様に理解される存在であり続けられるよう、未来志向でしっかり検討を進めていくため、幅広く意見交換を行いたいということでありますから、そういった方向で話が進んでいくものと思います。

(記者)
毎日新聞サトウです。重ねておうかがいいたします。
日本学術会議からの要望書に対して、政府はまだ回答しておらず、要望書の中にある拒否理由の説明や6人の任命という2つの事項についても、政府は否定的な考えを示してこられました。
任命拒否をめぐって、両者にこのような意見の隔たりがある中で、両者が連携したあり方を検討することは可能なんでしょうか。

(長官)
あのそこは、あの梶田会長がおいでになった時、総理ともそういう話をされて、それを踏まえて井上大臣がコミュニケーションを梶田会長と図っていくということでありますから、一連の流れに沿った対応ではないかというふうに思います。


2020年10月20日午後、首相官邸

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